- 自分の”強み”がよくわからない。
- 他の公務員は転職活動でどうやってアピールしたの?
このような悩みをお持ちの方に向けて、「公務員が転職活動でアピールできる3つの強み」をご紹介します。
こんにちは、あつしです!
20代後半のときに地方公務員(消防職)からIT企業に転職しました。
この記事では、
・僕自身の転職活動の経験
・元公務員で転職経験者の友人の助言
・転職エージェント担当者のアドバイス
これらをもとにした「公務員の強み」を詳しく解説します!
公務員から民間企業に転職しようと考えた時、
「公務員の自分がどうやってアピールしたらいいんだろう?」
「民間企業の仕事に活かせる強みなんて持ってない…」
このような悩みや疑問が生まれてきますよね。
僕も公務員時代の転職活動では「自分の強み」がわからず、転職活動に自信が持てずにいました。
ですが、さまざまな転職経験者からアドバイスを貰えたことで「公務員の強み」に気づくことができ、それが転機となって転職活動が順調に進んでいきました。
そこで今回は、自分の強み・公務員の強みがわからない人に向けて、
- 転職経験者から貰ったアドバイス
- 実際の転職活動でアピールした内容
- 民間企業で働いて気づいた公務員の強み
これらの内容を共有していきます。
「自分以外の視点」を持つことで、今まで気づけなかった強みが見えてきます。
自分の強み・公務員の強みを知り、自信を持って転職活動を進めていきましょうね!
民間企業で気づいた「専門性を超える価値」
はじめに、公務員から民間企業に転職してはじめて気づいた「専門性を超える価値」について、実体験ベースでお伝えします。
僕が公務員からIT企業に転職したばかりの頃、会社の売上に貢献できるのは「専門性が高い人」だと思っていました。
ですが会社員として働く中で、その認識は間違っていたと次第に気づいていきました。
①チームプレーの価値
IT企業での仕事は、高度な技術力を持つエンジニアやデザイナーの存在が不可欠です。
しかし、それ以上に「チームプレーができる人」の方が、会社の売上や業績により強く貢献できると実感しています。
どれだけ高度な専門性を持っていたとしても、人間一人の力には限りがあり、一人のパフォーマンスから生まれる利益は限定的です。
そのような個人能力がズバ抜けている人よりも、
- 各部署と積極的に協力できる”連携力”がある人
- 同じ部署の人と協力し、スムーズに業務を進められる人
このような人が職場にいた方が業務のスピードと質が向上し、結果的に会社の売上や業績に大きく貢献することができます。
実際に転職先のIT企業では、会社の中心メンバーは専門性に優れた人よりも「チームプレーができる人」が圧倒的に多く、これは公務員時代に培った協調性や業務の調整力といったスキル・経験が活かせる領域だったのです。
②働きやすい環境の重要性
また、IT業界では人材の流動性が高く、実際に優秀な社員が他社に移ることもよくありました。
そうした状況の中では「働きやすい環境を作る」ということの重要性は計り知れません。多くの人にとって居心地の良い職場を作ることができれば、中堅社員も若手社員も「この会社で長く働きたい」と感じてもらえることに繋がります。
- 優秀な人材を失った際の損失
- 新任者が会社や業務に慣れるまでの時間的損失
このような売上・業績に直結する損失を、働きやすい環境を整えることで防ぐことが可能になります。
間接的ではありますが、「働きやすい環境づくり」は人材の流動性が高い業界ほど会社の業績に貢献できるものだと実感しました。
この話は個人的な経験則に過ぎませんが、
- 会社に貢献できる人は、必ずしも専門性がある人だけではない
といったことは、どんな業界や職種にも当てはまる内容だと思います。
一度会社の役員や社長の立場になり、「どんな人を採用したいか」を考えてみると、自分の”新たな強み”が見つかるかもしれません。
公務員が転職活動でアピールできる3つの強み
本項目では、転職経験者・キャリアドバイザーの助言、実際の転職活動で得た知見をもとにして、公務員の強み・アピールポイントを3つご紹介します。
それぞれ詳しくご紹介していきます。
強み①公務員としての業務経験
公務員の1つ目の強みは、公務員としての業務経験です。
今までの業務で携わった分野と「親和性の高い業界」がある人は、転職市場で想像以上の価値があります。
たとえば、公務で建築・土木の分野に従事したことがあれば、その知見を活かすことで建築業界や建築に関連するコンサルタントとしての道も開けます。
また、警察官の方であれば警備業界はもちろんのこと、大企業の総務部門における防災責任者のポジションも狙えます。
詳しくは以下の記事で解説していますが、実際に公務員としての経験を活かしてコンサルタント企業に転職した人や、元警察官が外資系企業の防犯・セキュリティマネージャーにキャリアアップした事例があります。
このように、自分にとっては何の変哲もない「公務員としての経験」が、実際にはさまざまな業界や職種に活きる”強み”になる可能性があるのです…!
強み②ポータブルスキル
公務員の2つ目の強みは、ポータブルスキルです。
ポータブルスキルとは以下のように、業界や職種に関係しない「持ち運び可能なスキル」のことを指します。
- コミュニケーション能力
会話を通じて多様な住民の悩みを汲み取って解決したり、年の離れた職員とスムーズに業務を進めるためのコミュニケーション力 - 提案力・企画力
上司や部下に提案したり、業務を計画的に進めていく力 - 部下・後輩の教育力
新卒・新任者とコミュニケーションを取りながら業務を進める力 - 管理能力
プロジェクトやチーム(人)を効率的に管理し、目標達成を促進する力。
冒頭でお伝えしたように、「チームプレー」や「働きやすい環境づくり」は会社の売上・業績に大きく関わる要素です。
したがって、上記のポータブルスキルを適切にアピールすることができれば、必ず企業側の好印象につなげることができます。
実際に僕は「さまざまな人とコミュニケーションを取って信頼を築くことができる」といった内容を自分の強みとしてアピールしました。
冷静に考えれば、公務員は住民全員をお客さんのように接している職業です。
この事実を適切にアピールできれば、どんな分野への転職でもかなり破壊力のある強みになりますよ!
強み③業務効率化の実績
公務員の3つ目の強みは、業務効率化の実績です。
過去に取り組んだ業務効率化の実績をアピールすることで、「この人を雇えば会社に利益をもたらしてくれる」といった企業サイドの好印象につながります。
(※これまでに業務効率化に取り組んだことがない人も、次の項目でその実績の作り方を紹介しているので是非チェックしてみて下さいね。)
民間企業は利益や業績を伸ばすために、「コスト削減」にも積極的に取り組んでいます。
特に現代は人材不足社会なので、より少ない人員でより大きな成果を目指す「業務効率」を意識する企業が多いです。
そこで非効率的な仕事が多い公務員の環境を利用して、業務効率化に黙々と取り組むことで、転職活動でメリットをもたらす『アピールポイント』を作ることができます。
詳しくは次の項目で紹介しますが、業務フローを見直したり、供覧書類を電子データで回すことで、「業務効率化の実績」を簡単に作ることができます。
転職活動で役立つ実績作り|誰でも増やせるアピールポイント
最後に、いま転職活動に取り組んでいる人も、これから転職活動に望む人も、公務員の環境で簡単に作れる「転職活動で役立つ実績」の具体的な案をご紹介します。
民間企業では、利益・業績を伸ばすために、さまざまなコスト削減に取り組んでいます。
そこで「社内のコストを削減できる」という能力を転職活動でアピールできれば、入社1年目から会社に貢献できる「即戦力」として認識されるようになります。
実際に僕も「起案書のテンプレ化」「30%のペーパーレス化」といったコスト削減に、転職活動を始めてから取り組みました。
その内容を応募書類に記載したところ、
・書類選考の合格率が向上し、
・その話題を面接官から詳しく質問をされる
といった結果が得られました。
公務員特有の昔ながらの労働環境は、ある意味「実績の宝庫」です。
本項目の内容を参考にして職場の課題を探したり、その問題を解決して実績を作りましょう!
業務効率化の推進(作業コストの削減)
- 業務フローの改善
ヒューマンエラーが多く発生しているポイントを探して改善を図る - 電子印鑑の積極導入
押印の機会を可能な限り減らすことでペーパーレス化に貢献 - ドキュメントの整理
業務に関係する規則や資料の整理して共有する
公務員特有の環境から、この「業務効率化」が一番取り組みやすいと思います。
毎日当たり前のように取り組んでいる業務を振り返ってみたり、ミスの多い事務手続きの作業プロセスを見直すことで、仕事がもっと楽になるヒントが見つかるかもしれません。
教育コストの削減
- 新任教育のマニュアル化
新しく入庁した職員に毎年同じ教育をするのは非効率。そこで動画やパワーポイントを用いて教育コストの削減することも”実績”に繋がります。
「新任教育」はどんな職場も共通して抱えている課題なので、転職活動に強く活きてきますよ!
コミュニケーションコストの削減
- 無駄な会議・ミーティングを無くす
- 外部機関との電話・メールの内容をテンプレ化する
- 話かけやすい環境づくり
職員同士のコミュニケーションも大きなコストの1つ。スムーズな意思疎通・意思決定ができれば、その分だけ業務の進みも早くなります。
不要な会議を無くすのは役職のある人にしかできませんが、「無駄を省く」という意識はどんな人も持つことができます。
僕が転職した会社は、仕事ができる人が評価される”実績主義”で、「上下関係は不要」といった社風でした。
優秀な若手社員が発言できないのも損失の一つ。
公務員の環境で上下関係を無くすことは不可能ですが、「若い人も働きやすい環境づくり」に務めることは、立派な業務改善の一つになりますよ!
まとめ
この記事では、転職活動に活かせる公務員の強みを3つ紹介しました。
公務員から民間企業に転職する際、「民間企業にアピールできる実績や強みがなにもない…」といったネガティブな気持ちが生まれ、落ち込む瞬間があるかもしれません。
ですがどんな人も、自分が気付いていないだけで、誰もが民間企業で活かせる強みを持っています。
特別な専門性を持っていなかったとしても、
- チームワークを尊重した業務遂行
- 働きやすい環境づくり
- コスト削減に繋がる取り組み
このような既にお持ちのスキル・経験を活用すれば、民間企業でも即戦力として活躍することができます。
公務員の強みをフル活用して、転職活動の壁を乗り越えていきましょうね!