「来月、収入がゼロになるかもしれない…」
会社を辞め、フリーランスライターとして半年ほど経ったときの出来事です。
銀行の残高が急激に減っていく現実を目の当たりにして、正社員に戻ろうか頭を抱えながら、閉店間際のスーパーで割引弁当を選んでいました。
もし、あなたもフリーランスとして再就職を考えているなら、この記事が役に立つかもしれません。
結論から言います。
フリーランスという立場に、ジリ貧でしがみつくのは自殺行為です。
かつて公務員を辞めて転職し、IT企業からも逃げ出し、自由を求めた筆者がまさにそうでした。
独立して3ヶ月後に会社員の給料を超え、翌々月には月収3万円へ垂直落下。
毎日スーパーの割引弁当を選ぶようなアラサー男が、どうやって人生を立て直したのか。
本記事で詳しく紹介していきます。
月収30万円から3万円へ転落【フリーランス廃業】
ビギナーズラック
公務員を辞めてIT企業に転職し、その会社もわずか1年でドロップアウト。
「自分には会社員は無理だ」と悟り、逃げるようにフリーランスライターとして独立しました。
最初の3ヶ月はビギナーズラックで案件が重なり、売上はいきなり30万円を突破。
「会社員なんてやらなくても余裕で生きていけるじゃないか」と、完全に天狗になっていました。
地獄の入り口は突然に
ある日チャットワークに、お得意様から1通のメッセージが届きました。
記事制作を内製化することにしました。
来月からの業務依頼はなしとさせていただきます。
このチャットが届いたのは7月末。
私のスキル不足や交渉力のなさが招いた結果ですが、当時の私には青天の霹靂です。
翌月、通帳に記帳された金額は「30,000円」。
桁が一つ足りないのではなく、これが事実でした。
ベンチャー企業への再就職で見えた「救い」
「フリーランスというプライドを持ち続けていては、飯が食えない。」
そう気づいた私は、這いつくばるようにして転職活動を始めました。
そして、あるベンチャー企業の社長に「君、面白いね」とのメッセージが届きます。
職種はWebマーケティング担当。
オファー面談で提示された、再就職後の初任給は手取り20万円です。
フリーランス1年目の最高月収よりも10万円下がりましたが、即答で返事をしました。
失って気づいた固定給のありがたみ
正社員のオファーを受け入れ、実際に働き始めて感じたのは「精神の安寧」です。
「毎月25日に、決まった金額が振り込まれる」
公務員や会社員時代は気づけませんでしたが、組織を離れて泥水をすすっていた当時の私は、この固定給が精神安定剤のように感じました。
収入だけをみれば安定していますが、ベンチャー企業は楽園ではありません。
事業のスピード感が想像以上に早く、求められる成果もシビアです。
プロジェクトを背負うプレッシャーは、会社員時代には感じなかった重圧となってのしかかります。
ですがフリーランスのころのように、孤独ではありません。
チームで議論し、悩み、目標を追う。
組織・集団が嫌で逃げ出した私が、皮肉にも「組織の力」に救われたのです。
フリーランスが再就職を選ぶべき3つの兆候
本章では私の実体験に基づいて、フリーランスが再就職を決断すべき兆候を3つ紹介します。
フリーランスを続けるべきか、再就職すべきかで迷っているなら、次の基準で判断してください。
- 時間を切り売りしている
- 仕事の案件が明らかに減少傾向
- 自由な暮らしだけがアイデンティティ
1. 時間を切り売りしている
時給換算して最低賃金を3ヶ月以上下回っているなら黄色信号です。
そのまま前に進んだら、大きな事故につながります。
理由は「労働力の安売り」で食いつないでいるからです。
私がビギナーズラックで会社員の給料を超えていたころの時給は、1,200円〜1,500円ほどでした。
作業時間を大いに注いでお金を稼いでいたのです。
このときすでに青信号が点滅し、黄色信号に差し掛かっていたといえるでしょう。
「スキルではなく、時間の対価としてお金を稼いでいる」と少しでも自覚しているのなら、再就職を検討すべきです。
過去3ヶ月の時給が最低賃金を下回っていたら、固定給に切り替えたほうが幸せになれるかもしれません。
2. 仕事のマッチング案件が減少傾向
クラウドワークスやWantedlyなどの仕事マッチングサービスで案件数が明らかに減っているなら、赤信号です。
理由は明白で、あなたのスキルが、より安価な労働力(外国人など)やAIに代替されているからです。
AIの進化が著しいのはご存知だと思います。
オペレーション業務の事務作業員だけでなく、ライターやデザイナー、プログラマーなどのクリエイティブ職も危うい状況。
私の月収が3万円に落ちた原因も、生成AIの精度が向上したことで、「今なら外注費用を大幅に削減できる」とクライアントの企業が判断したからだと推測できます。
個人の力でこの時代の波に抗うのは、竹槍で戦車に挑むようなものでしょう。
案件が減ったのは不景気だからではなく、自分の代わりはいくらでもいるからです。
3. 「自由な暮らし」だけがアイデンティティ
通勤で電車に乗らないことや、嫌な上司がいない状況に魅力を感じてフリーランスになったのであれば、「今の生活」と「仕事の価値観」を一度整理してください。
収入が不安定で満足のいく貯金ができず、それでいてスキルも伸びない。
もしこのような状況なら、赤信号の横断歩道を歩いている状況。
いつ収入がゼロになるかわからない状況といえます。
「組織に属さないこと」はあくまで手段であって、人生のゴールではないはずです。
経済的に余裕がない状態を、自由とは呼べません。
「元・個人事業主」はベンチャー企業で武器になる
「フリーランスから再就職したいけど、正社員として評価されないのでは?」
このように思い込んでいる方も多いはず。
実は半分正解で、半分間違いです。
ガチガチの大手企業では敬遠されるかもしれませんが、ベンチャー企業においてはフリーランスの経験すべてが武器になります。
理由は次の3つです。
- 指示待ち人間ではないと証明できる
- 仕事の責任を背負う覚悟を持っている
- 売上の重みを知っている
1. 指示待ち人間ではないと証明できる
フリーランスのあなたは「指示を待つ」という悪癖が染み付いていない、上位の人材です。
正式なマニュアルがなく、カオスな環境になりがちなベンチャー企業において、自走力(自分で考えて動く力)は最も重要なスキルになります。
会社員しか経験していない多くの人は、上司から指示が来るまで動かない「指示待ち人間」です。
しかしフリーランスは、待つ=死。
自分で仕事を見つけてアウトプットの質を高めなければ、フリーランスを続けられません。
自分で仕事を取りに行き、自分で納期を管理し、自分で納品する。
このフリーランスの習性は、ベンチャー企業という環境で大いに発揮できる武器になります。
2. 仕事の責任を背負う覚悟を持っている
「自分の担当業務はここまで」と線を引かず、泥臭い実務を巻き取る姿勢は、ベンチャー企業の社長や役員から好印象に映ります。
理由は単純で、成長中のベンチャー企業には「分業制」が実態として存在しないからです。
私はフリーランスライターのころ、ただ文章を書くだけが仕事ではありませんでした。
WordPressへの入稿や画像・図解の作成、さらにはSNSでの発信など、できることをすべて巻き取っていました。
記事も書けるし、画像も作れる。SNSも回せる。
器用貧乏ともいえる業務範囲の広さは、人手不足のベンチャー企業では、一人で戦況を変えられる「即戦力」の証明になるのです。
3. 売上の重みを知っている
多くの会社員は、会社の経費を、どこからか湧き出てくる金のように思いがちです。
経費とは汗水流して稼いだお金の一部であり、使いすぎれば自分たちの利益が減るというリスクを、多くの会社員は意識していないのです。
「売上がすべてを癒やす」という感覚は、事業主にしかわからないと思います。
この売上主義の考え方ができる人、すなわち経営者と同じ物差しで判断できる人材は、少数精鋭のベンチャー企業で真の力を発揮します。
フリーランスとしての失敗は、商売の厳しさを知っているという信頼の証。
甘ったれた従業員とは、ひと味もふた味も違う証明になるのです。
プライドを捨てて固定給を取り戻そう
フリーランスからベンチャー企業に転職してから半年が経ち、今は手取り30万円を超える給料をいただいています。
生活の基盤が整ったことで精神的な余裕が生まれて、自分の事業(副業)にも全力で打ち込めるようになりました。
フリーランスとして働いていたころよりも、会社員に戻った今のほうが、人生の自由度が数段上がったと実感しています。
もしあなたが今、ジリ貧の状態でフリーランスにしがみついているなら、一度固定給の権利を掴んでみてはいかがでしょうか。
死ぬこと以外かすり傷といいますが、お金に余裕がない日々は、人の尊厳を削り取っていきます。
「フリーランス=自由」という思い込みは一度捨ててください。
そんなものでお腹はいっぱいにはなりませんからね。
フリーランスからの再就職は、人生を長く戦い抜くための生存戦略です。
まずは生き延びることを優先に。
フリーランスという経歴を「武器」と評価してくれる場所は、必ずあります。






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