- 公務員の仕事がつらすぎる。
- 頑張っても報われないし、責任は増えていく一方。
- 部署異動で毎日残業するようになった。体も心もボロボロ…
このような理由から、「公務員にならなきゃよかった…」と思うのも1度や2度ではないですよね。
僕は以前、地元の消防署で働いていました。その職場はパワハラが常に横行し、残業も研修も無給で参加するのが当たり前。
「仕事がつらい…」
「もう辞めてしまいたい。」
と何度思ったかわかりません。
そこから30歳目前でIT企業に転職したのですが、その時感じたことは、
公務員の「仕事がつらい」とは種類が全く違う
ということです。転職したことで公務員と民間の「仕事のつらさ」を比較することができ、以前の仕事がしんどい理由が浮き彫りになりました。
本記事では、僕の仕事の具体的なエピソードを交えながら、公務員の仕事がつらい根本原因をお伝えしていきます。
あなたのモヤモヤとした仕事のストレスが明確になり、明日からの仕事が少しでも気楽に取り組めたら嬉しいです。
公務員時代の話|消防士辞めたいと思ったエピソード
消防署に入職してまだ1年も経っていない頃、大きいなホテルの”立入検査”を主任として進めるように頼まれたことがありました。
消防署が行う立入検査とは、
- 消火器や誘導灯などの「消防設備」が法律通りに設置されているかを確認する
- 物が散乱して避難通路が狭くなっていないか、設備の点検に着手しているかを確認する
これらを主にチェックして、安全な建物かどうかを半日〜1日かけて検査するものです。
僕が配属された部署は現場出動に加えて、立入検査や書類審査といった「役所仕事」も同時に行う部署でした。
”体力バカ”であったことから、完全に力仕事枠だと思い込んでいました。なので立入検査の仕事を振られた時には、法律の知識や申請書類の名前、検査の進行手順を急遽覚えなければなりませんでした。
検査日は1ヶ月後。準備期間は十分にありましたが、当時の僕はそのプレッシャーから胃痛、寝不足の毎日。「仕事に行きたくない」と強烈に感じ、朝は遅刻するかギリギリの時刻にならないと布団から起き上がれない日が続きました。
当日の検査は不慣れな進行・未熟な知識で完全に失敗。幸い、付き添ってくれた先輩のサポートのおかげでホテル関係者との信頼関係は首の皮一枚つながったような状況でした。
この出来事が仕事を辞めたくなる序章でした。働かないおじさん・パワハラ上司が繰り出す無茶難題を断る権利がなく、苦手な仕事・不得意な業務にまみれる毎日。
入職したての頃に感じていた「仕事のやりがい」は、転職を決意した時にはすでに感じられなくなっていました。
IT企業の話|仕事はやっぱりつらい
消防士として働きながら転職活動に取り組み、30歳目前でIT企業(エンジニア職)に転職しました。
入職してから2ヶ月間の研修後、配属先の先輩と一緒にクライアントの要望調査・ヒアリング・システム設計〜導入を二人三脚で進めていきました。
ですが配属されてから2週間経った時、その先輩はなんと1ヶ月後に他部署へ移動することが決定してしまいました。
これから会社のお得意様相手に、
- 複雑なシステムの説明
- 要望調査・ヒアリング
- システム導入・保守
これらの業務を自分一人で進めることになります。前職の苦い思い出が完全にフラッシュバックしてきました…。
覚えることが一気に増えてつらい。仕事のプレッシャーも急増。
ですがなんとか最低限の知識を蓄え、先輩にしつこいと思われるほど相談をして、クライアントへの要望調査は”イメトレ”を狂ったように繰り返したことで、なんとかその場・その時期を乗り越えました。
転職して感じた「仕事がつらい」の違い
- 公務員時代の仕事のつらさ
- IT企業での仕事のつらさ
この2つは「不慣れでプレッシャーがかかる仕事を急遽任された」という点でかなり似ている気がします。
ですが、ストレスの性質・精神状況には、確かな違いがありました。
IT企業の”仕事がつらい”の向こう側にあるもの
IT企業での「仕事がつらい」の裏側には、
- この業務を乗り越えたら相当な経験とスキルが身につく
- 将来の年収が伸びたり、働き方を選べる立場に近づける。乗り越える価値が十分ある。
このようなモチベーションがありました。
IT業界は”実務経験”で年収や待遇が決まる傾向があります。したがって「公務員を辞めて年収やキャリアを伸ばしたい」と思っている僕からは、たとえこの仕事がオーバーワークだとしても、受け入れる価値が十分ありました。
公務員の”仕事がつらい”の向こう側にあるもの
一方で公務員の「仕事のつらい」を乗り越えた先に何があるのか。
これは個人的な意見ですが、
- 「個人」のメリットは全くなく、
- 「公」が平然に保たれる特典がある。
このように現時点は思っています。
公務員としてどれだけ頑張って働いても、
- 仕事の経験が一気に増えても年収は変わらない
- 仕事を頑張る人もサボる人も、人事評価は全員一律の”出来レース”
これが公務員の実態なので、「個人」のメリットは全くありません。
ですが、「昨日と変わらない行政サービス」「昨日と同じ地域社会」といったことには繋がっているはず。
仕事の成果が自分の評価・給料・労働環境の改善(職場選びの選択肢)に繋がらない。
これが多くの人に当てはまる『公務員の仕事がつらくなる元凶』だと思っています。
自分で選んだ「つらい」は乗り越えられる
今思えば、僕が公務員を目指した理由は「親の教え」の影響が大きいです。
親も「将来が安定する」って言うし、おれもやりたいことが特にないから公務員でいいか〜
と、安定や年収といった基準を完全に『他人のモノサシ』で測り、就職先を決めていました。極端に言えば親に就職先を選んでもらった状態。これでは仕事がつらくなるのも当然ですよね。
しかしその後、「転職」によって自分のモノサシで職場を選び直すことができました。
- 自分の力で年収を増やせる環境に行きたい
- 自由度の高い働き方を手に入れたい
これらが叶う環境を自分で選択したことで、「つらい仕事」も100%自分に還元されてきます。その時の頑張りが将来に反映されるので、乗り越えるたびに達成感を感じるのです。
正直、公務員も会社員も、仕事はどっちもつらいです。
ですが、
- 自分の価値観に則った「つらい仕事」
- 人生のゴールに繋がる「つらい仕事」
このような”つらい仕事”に直面した時、自分でも信じがたい『困難を乗り越える力』が体の内から湧き上がってくることを知りました。
今あなたが「仕事がつらい…」と感じたら
もしもあなたが「仕事がつらい」と感じていたら、一度じっくり自分の価値観を見直してみたり、将来の目標・人生のゴールを再確認すると心が楽になるかもしれません。
目的地のないドライブもたまにはいいですが、それが毎日になると、自分の心が枯渇はじめてモチベーションが全く湧いてこなくなります。
あなたの将来の目的地が「公務員の仕事」と結びついた時、目の前の”つらい仕事”を乗り越えるパワーが生まれ、その仕事を終えた先には”達成感”を感じられるはずですよ。
その達成感こそ、あなただけの『仕事のやりがい』だと僕は思います。
将来の目標や人生のゴールが明確になれば、嫌いな上司の依頼もプレッシャーのかかる業務も、今までとは全く異なる受け止め方ができるかもしれません。