- 理不尽な上司に仕事のケチを付けられた。
- 残業がひどくて心も体もズタボロ…
このような時には、「こんな職場、今すぐ辞めてやる…!!!」と転職願望が強くなりますよね。ですが時間が経つにつれて、
本当にこのまま転職していいのか?
今の職場に居たほうが幸せなのでは?
といった不安な気持ちが生まれてきます。実際に上記の不安に駆られて内定を辞退し、転職に踏み切れない人も珍しくありません。
僕も公務員から転職をする際、前の職場を毛嫌いしていたにも関わらず、いざ内定が出ると「本当にこのまま転職をしてもいいのか」といった”不安”に襲われたのを今でも覚えています。
転職は、誰もが不安に感じています。
ですがその「不安の元凶」を正しく知ることで、転職するかどうかを合理的に判断し、自分にとって本当に正しい選択ができるようになります。
そこで本記事では、あなたの転職を妨げる合計3つの要因を明確にして、それぞれの対策をお伝えします。
転職に迷ってしまうのは、決してあなたの「心の問題」ではありません。周囲の人々から日本の社会背景まで、転職を妨げる障壁はさまざまな場所に存在しています。
「転職できない…」といった負のマインドをこの記事で払拭して、今の職場を脱出していきましょう!
転職を妨げる外的要因|2つの「人」
冒頭でもお伝えしましたが、転職を不安に感じているのはあなただけではありません。その他大勢の人があなたと同じ悩みを抱えています。
そこで本項目では、多くの人の転職の妨げになっている外的要因を2つお伝えします。
「おれを置いていくな」上司・同僚の嫉妬心
- せっかく入職できたのにもったいない。
- あいつの人生終わったな…
転職が社内で話題になった時、このような発言をする上司や同僚が一人や二人いますよね。そのネガティブな発言を聞いて「転職は悪いこと」と思ってしまうことがあります。
ですが、そのような発言は全く気にしなくて大丈夫です。なぜならこれらの発言は全て、あなたに対する「嫉妬心」だからです。
他人の転職についてグチグチ言っている上司や同僚は心の中で、
- あいつだけ行動できて羨ましい。
- おれなんて家族に反対されてるのに。
- 過去に転職活動したことがあるんだけど諦めてしまった。
といった嫉妬や羨望の気持ちを隠し持っています。「あいつが羨ましい」という想いが拗れに拗れて、先ほどのような”暴言”に近い言葉を発しているのです。
冷静に考えれば、終身雇用が崩壊している現代で「転職」という選択肢は、将来を守る最善策です。その現実から目を背けるように暴言を吐く上司や同僚の存在が、あなたの転職を妨げる1つの要因になっています。
「不安だからイヤ」家族やパートナーの誤認
家族や奥さんの「反対意見」も、転職を妨げる大きな要因です。
- 会社が倒産する前に転職する
- 自分がより活躍できる職場に移る
これらは今後の日本で雇用を安定させるために必須。ですが、終身雇用が約束されていた昭和・平成時代の常識のままでいる人は、「転職は不安定」だと思い込んでいるケースが非常に多いです。
さらに、長年日本の美徳と言われている「勤勉」「我慢強い」「謙遜」といったフレーズは、見方によっては転職と正反対の性質を持っているといえます。
日本の社会背景や教育方針など、さまざまな影響から安定志向の強い日本人。「転職」と聞いてアレルギー反応を起こすパートナーや親の強烈な反対によって、転職に踏み切れない人も多いのです。
転職を妨げる内的要因|3つのバイアス
あなたの転職を妨げている要因は、周囲の人たちが作る環境だけではありません。
本項目では、転職に強く関連する「人の脳に植え付けられた3つの思い込み(バイアス)」をご紹介します。
損失回避バイアス
損失回避バイアスとは、「得したい」よりも『損したくない』という気持ちのほうが人間の意思決定により強く反映される心理現象のことです。
このバイアスを証明する有名な実験に「コイントスゲーム」というものがあります。
コインの表が出たら1,500円貰えて、裏が出たら1,000円支払う
このルールを聞いた上で人々がゲームに参加するか否かを調べたところ、多くの人が参加を拒否する傾向があったとされています。
確立で見るとコインの表が出る可能性は1/2。加えて支払う金額より貰える額のほうが大きいため「参加したほうが合理的」と言えますが、1,000円の損失を避ける人が多いのです。
この心理現象は、転職の判断をする際にも現れます。
- 年収が100万円上がる
- フレックス制で労働環境が改善される
このような”期待値”がありながらも、いざ転職の決断を下す際には「今の職場境」のほうが価値が大きいと誤認してしまうのです。
転職の判断をするとき、人は”現職の価値”を大きく見積もる傾向がある
このことを覚えておくだけでも、転職での後悔を減らすことができます。
現状維持バイアス
現状維持バイアスとは、変化を避けて現状維持を求める心理現象のことです。
たとえば携帯電話の契約会社を変更する際、「大手キャリアから”格安SIM”に乗り換えたほうがお得」と頭で理解しながらも、
- 通話品質が悪そう
- 情報が漏れないか不安
このような「乗り換えない理由」が自然と頭の中に浮かび上がり、変化を拒もうとするのです。
あなたの周囲の「転職アレルギー」を持つ人は、この現状維持バイアスが特に強いかもしれません。
- いつもと同じメニューを頼む
- 行きつけのお店やリビングルームに特等席がある
- 新しいサービスやシステムに抵抗がある
このような人は現状維持バイアスが強い傾向があります。「頭ではわかってるけど、やっぱり怖い」という”感情面”が前に出るので、渾身的に話を聞いて不安解消につなげることが大切になります。
正常性バイアス
正常性バイアスとは、自らが異常事態に直面したときに「自分だけは正常な状態である」と無意識に思う心理現象です。
具体的には、次のような例があります。
- 近くで災害が起きた時、「自分はまだ避難しなくても大丈夫だろう」と思い込んでしまう
- コロナの影響で競合会社が倒産する中、「うちの会社は生き残る」と過信する
人間誰しも「過度なストレス」は避けたいもの。その本能が強いあまりに、目前に迫っている『超危険なリスク』も軽視することが往々にしてあります。
過信・慢心は地獄の一丁目。万が一の災害に備え続け、予兆が現れたらスピーディーに避難できる「正常性バイアスを克服した人」だけが、安定を手にすることができます。
転職できない…不安を克服する3つの対策
最後に、これまでに紹介した転職できない外的要因・内的要因を克服し、合理的な転職を実現するための3つの対策をご紹介します。
①環境を変える(上司・同僚への対策)
- 上司や同僚が転職に後ろ向き…
- 転職に前向きな人が周囲にいない。
このような人は、上司や同僚から積極的に遠ざかることが大切です。
つまり”環境を変える”の実践になります。「デブは周囲に伝染する」というハーバード大学のニコラス・クリスタキス教授の研究しかり、良くも悪くも、周囲の人間はあなたに何かしらの影響を与えています。
- 職場の飲み会を断って転職に前向きな友人とお酒を飲む
- 仕事を早めに切り上げて、カフェで職務経歴書を1時間だけ書く
このような”環境の変化”少しずつ取り入れてみてください。その延長線上にはきっと「次の会社」「新たな人間関係」が待っていますよ。
②説得せずに”聞く”(パートナー・家族への対策)
- パートナーの反対意見が強い
- 家族が頑なに転職を拒む
このような状況を抱える人は、ひたすら相手の”聞き手”に周り、「不安の種」を一緒に探すことが重要です。
パートナーや家族が転職アレルギー持ちの場合、相手は「自分でも何が不安だかよくわかっていない」といったケースが非常に多いです。先述した損失回避バイアス・現状維持バイアスが強くて負の感情が全面に出ている状態なので、
終身雇用が崩壊した現代では、「転職」は最も収入が安定する合理的な手段になるんだ。
とあなたがどれだけ冷静に説得しても、
きゃぁぁぁあーーー
で終わってしまいます。感情的な相手に対して”説得”は無意味。まずはパートナーや家族と一緒に「相手の不安の種」を見つけることが優先です。
「転職の不安要素」に自分で気づくことができれば、あなたが伝える『具体的な解決策』も刺さります。
転職アレルギー持ちのご家族に対しては、「説得」より『寄り添う』を意識してみてくださいね。
③心理学を学ぶ(マインドブロックの解除)
心理学を学ぶことで、多くの人が陥るバイアス(思い込み・先入観・偏見)に気づくことができます。
この「思い込みの罠」にさえ引っかからなければ、人生を大きく左右する決断も合理的に判断できるようになります。
さらに心理学を学べば、以下の特典も付いてきます。
- 仕事に活かせる
プレゼンが上達したり、セールスレターが書けるようになる - 人間関係で困らない
雑談から悩み相談まで、会話に深みをもたせられる - ストレス耐性が備わる
感情の理解が深まり、自分を客観視できるようになる
心理学は「人の心」を対象にした学問。その分野の知見を広げることで、あなただけではなく周囲の人も幸せにすることができますよ。
僕は過去に心理学に没頭していた時期があります。
心理学を学ぶことで、今日より明日、明日より明後日と、人生が充実するような実感が生まれましたよ!
転職できない…不安克服まとめ
「転職できない…」という不安は、あなたの心の中の問題だけではありません。
- あなたを取り巻く周囲の環境(外的要因)
- 人間の理性・防衛本能(内的要因)
このような”根が深い問題”が複雑に絡み合っているケースが多いです。
その不安を解消するためには、転職にポジティブな人たちと関わり、家族の協力を経て、自分のマインドブロックをゆっくりと外すことが大切です。
- 仕事を早めに切り上げて、カフェで1時間職務経歴書を作る
- 心理学や転職にまつわる書籍を1日10分読む
- 転職を考えていることを家族にゆっくり相談してみる
これらの小さな行動を心掛けることで、あなたの「心のブレーキ」が少しずつ外れていきます。
その行動はいずれ、「悔いのない転職」に繋がってくるはずですよ!