ほとんどの転職エージェントは無料で使えますが、転職をサポートをしてくれる担当者は決してボランティアをしているわけではありません。
詳しくは以下の記事で解説していますが、転職エージェントの担当者は「ビジネスの一貫」として転職支援を行い、その対価として企業側から利益を得ています。
転職希望者をより高い年収で内定させることができれば、その分エージェント側の利益も上乗せされます。
この仕組みがある以上、求職者の希望をガン無視し、表向きのだけ高年収の「ブラック企業の求人」を紹介してくる担当者もいる事実。
転職エージェントの「担当者」次第で、転職の明暗が別れてくるのです…
そこでこの記事では、
これらの内容を徹底解説していきます。
良い担当者と巡り合い、その人と一緒に転職活動できれば、転職成功はほぼ約束されたようなものになります。
本記事で「担当者の選び方」をマスターし、転職エージェントを正しく活用する『知識』を身につけていきましょう!
転職エージェント担当者には3つのタイプがある
転職エージェントの担当者の中には、良い担当者と悪い担当者、そして中立的な担当者がいます。
- 良い担当者
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- 求職者の希望に沿う良い求人があれば紹介する。良い求人がない場合は「紹介できない」とハッキリ言う
- 転職情報をたくさん握っている。質問や要望があればすぐに的確なアドバイスをしてくれる
- 求職者の話をよく聞き、意見を汲み取った転職プラン・キャリアプランを提案してくれる
- 中立的な担当者
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- 求職者の希望に沿う求人があれば紹介し、希望に沿わない求人も「提案」という形で紹介してくる
- 質問があれば適宜アドバイスをくれる
- 求職者の意見を聞き、要望があれば求職者の意見を汲み取った転職プラン・キャリアプランを提案してくれる
- 悪質な担当者
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- 求職者の希望を全く無視したデタラメ求人を紹介する
- アドバイスに圧があり、”指示”をされているように感じる
- 求職者の話を全く聞かない。「どんどん応募しましょう」「この求人は必ず応募して」と、自分勝手に転職活動を進める
上記三者それぞれの割合は「人間関係262の法則」のように、中立的な担当者が最も多く、良い担当者・悪い担当者はごく少数です。
【人間関係262の法則】
たとえ自分がどんな人間であっても、2割の人から好かれ、もう2割の人から嫌われる。残り6割の人には好かれも嫌われもしないという法則
悪い担当者に気づかないまま転職活動してしまうと、どれだけ頑張っても自分の希望が叶うことはありません。むしろ「現状維持」の転職さえ難しくなります。
次の項目では、実際に悪質な担当者に遭遇し、転職で失敗した人の例を少しだけお伝えします。
転職エージェントで悪質な担当者に遭った人の例
本項目では、以下の記事の中から2つの被害・トラブル事例を取り上げ、解説していきます。
①転職エージェントに騙された。訴えたい
転職エージェントと転職先に騙された場合、訴えることはできますか?
- エージェント経由で7月より入社
- 総合職正社員
- 年収500万円、年間休日121日
- 労働時間9:00ー17:30
- 平均残業時間5.5時間
- フレックス、在宅勤務可
上記の条件で、人事担当部長の名前で雇用契約通知書にも記載されており、内定承諾して入社しました。
︙
そして、定時になっても誰も帰らず、20時ごろから本部長に報告してヨシと言われた人から帰ってよい。謎の制度。
パワハラのような罵声も飛び交っています。
10日が勤怠の締め日で、
7/1ー7/10の勤怠書を提出した後に人事から言われて分かったのですが、
基本給168000円
固定残業42000円の計21万円
労働契約通知書の金額は全くの嘘でした。
さすがに問い詰めたところ、ボーナスで最高評価を得た場合の金額だとか言い出しました。
過去にとった人もいると。
(他の社員に聞くと現専務の社長の息子)
転職時にも少し怪しさは感じており、転職エージェントにも相談していたのですが、
嘘は書かないし、書けないようになっている。
基本的に信じてもらって大丈夫と言われ、もし違っていたら私が責任持って対応するからと強く入社を勧められました。
ところが、入社後に上記を連絡すると、
「確認して対応します。すぐ折り返します」
と言われたのを最後に、連絡がつかなくなりました。
エージェントの会社にかけても、取り合ってもらえません。
転職エージェント経由で転職をした結果、
- 労働時間は全くの嘘
- 労働契約書の年収額に大きな違いがある
このような実態に直面。相談者は転職活動の時からこの企業に対して”不信感”を持っていました。しかし、担当者の強い勧めもあって転職を決意。
入社してからブラック企業が発覚し、転職エージェントに問い合わせるも音信不通。相談者の「不信感」は、くしくも的中してしまったのです…
②面接試験を辞退させてくれない転職エージェントに怒っています。
転職エージェントに怒ってます。
担当者の指示で応募する企業の数を一時的に増やしました。
その結果、1週間以内に10社の面接を受けなければならず、面接辞退もNGと言われます。
先日転職エージェントに行き書類選考の通過率は30%程なので気になったらすべて応募してくださいと言われ、その場で20社ほど応募しました。
こんなに応募して 全部捌き切れるか不安だと聞きましたが、全部通るわけではないので大丈夫ですよ!と言われたので安心していたのですが、2日後10社から選考通過の連絡をもらい1週間以内(1日は用事があり実質6日)で面接をすべて受けなくてはいけなくなりました。
まだ、他の10社からは連絡が来ていませんがその中には第一希望の企業もありそこを優先したいのにパンパンのスケジュールになり、正直何社か辞退したいです。 ですが、面接辞退はNGだと言われました。これっておかしくないですか?
転職エージェントの担当者に無理やり転職活動をさせられてしまっているケースです。
- 選考を辞退する
- 内定に同意しない
この決断は100%求職者側に権利があります。したがって、転職エージェントの担当者がその権利を無理やり剥奪しようとするのには、必ず”裏の意図”があります。
その意図は本人しかわかりませんが、
- その企業に内定することで転職エージェント側に何かしらの利益が生まれる
- 担当者が”ノルマ”に追われている
このような内容が推測できます。そもそも「担当者が紹介する求人に応募したら、いきなり選考通過率が上がった」というのもおかしな話です。
転職エージェントの担当者に無理やり応募を迫られたり、転職活動を急かすような言動には要注意。その裏には必ずと言っていいほど「転職エージェント側の意図」が隠れています。
プロ意識が高い有能担当者を見つける方法
転職エージェントの中には、
- 求職者の話をよく聞いて”適正”を見抜き、
- より活躍できる環境を提案してくれる。
このような善良で有能なプロの担当者も存在します。
本項目では、その有能エージェントを見つけるための方法を2つお伝えします。
①転職エージェントを掛け持ちする
転職エージェントを2社以上に登録し、両者を比較しながら利用するのは転職上級者が使っているテクニックです。
この”複数社掛け持ち”をすることで、
- 担当者の質を比べられる
- 二人のプロから転職情報をインプットでき、転職のチャンスをより確実に掴める
このようなメリットが生まれます。
両者が紹介する求人に大きな「差」があれば、少なくとも一方はテキトー、もしくは転職エージェント側にとって都合の良い求人を紹介していることがわかります。
転職エージェントの掛け持ち=リスク分散。利用するサービスを併用することは、転職において『正攻法』になるのです。
②初回面談で担当者の質をチェックする
転職エージェントに登録すると、
- 今の仕事の状況
- 過去の職歴
- 転職先の希望条件
このような内容を担当者がヒアリングする「初回面談」の機会があります。
その面談で担当者の質を見極めることができれば、転職活動の序盤で『担当者の変更』を依頼できたり『利用するサービスを変える』といった対応を取ることができます。
すなわち、その後の転職活動のスピードや安全性が2倍、3倍と大きく変わってくるのです。
より確実に、そしてスピーディーに転職するために、次の5つのステップで担当者の質を初回面談で見抜きましょう。
担当者のエージェント歴が1年以上かどうか
エージェント歴が1年未満の担当者は積極的に避けましょう。なぜなら転職サポートのレベルも低く、企業側とのコミュニケーションがうまく取れない可能性があるからです。
初回の面談のときに「〇〇さんってこのお仕事どのくらいされてるんですか?」とでさりげなく聞くと、担当者のレベル感を把握できます。
話していて「違和感」が無い
エージェントとの何気ない会話で「違和感がない」ということは、転職成功に必須の条件。
なぜなら【要注意】転職エージェントの被害・トラブル事例と失敗を防ぐ3つの教訓で解説しているように、エージェント経由の転職で失敗した人の共通点には
エージェントに”違和感”を感じたまま転職活動を続けてしまった
という内容があるからです。
エージェント選びは恋人選びと同じ。「この人なんか違うかも」と思った恋愛が200%成就しないように、合わない担当者と転職活動を続けてもその転職は高確率で失敗します。
専門知識が豊富
当然ですが、担当者が転職に詳しいくないと効果的なアドバイスは貰えません。
このあたりは「STEP1: エージェント歴が1年未満」と密接に関わっていて、エージェント歴が長いほど
- 転職成功者を数多く排出している
- 幅広い業界のノウハウを持っている
このような「基本的な専門性」を持っていると言えます。
さらに良い担当者を見抜きたければ、質問を1つしたときに、2個、3個とポンポン返答が返ってくるかどうか確認することが大切です。
オタク級に知識が豊富な担当者は、少し質問しただけでも
・〇〇したほうがいいですよ。
・2、3年後を考えるんだったらこっちのほうがいいですよ。
と具体的なアドバイスをずばずば与えてくれます。
希望してない求人は一切紹介しない
あなたが希望していない業界や職種の求人ばかり紹介してくるような担当者は要注意。
そのエージェントはノルマに追われているか、自分のお金のことしか頭にない可能性があります。
こちらの意見もろくに聞かず、転職を急かすように大量の求人を紹介してきたら要注意。高確率で悪質な担当者なので、即座に使うサービスを変更して転職活動をリスタートさせましょう。
そのほうがブラック企業への転職を防ぎ、自分の心と体の健康を守ることができます。
余裕がある
有能な担当者は、いつどんな時でも
- 求職者の今の職場と比較してどちらがいいか
を考えています。したがって、
正直、今は転職しないほうがいいです。現職で実績を積んだほうが数年後の選択肢を増やすことができます。
このようなアドバイスをしてくれるエージェントは超有能です。その人と信頼関係を築いて定期的に情報交換すれば、いずれ良い転職先を紹介してくれることでしょう。
担当者選びを重視すれば、転職で幸せになれる。
転職エージェント選びに全力を注いでも、転職活動をいっしょに伴走してくれる「担当者選び」で妥協してしまうと、
- 自分のペースで転職活動できなくなる
- 変な求人を紹介されて、ゴールから遠ざかる
- 「目指してたゴールはここじゃなかった」と転職後に気づく
このような”後悔”に繋がってしまいます。
逆を返せば、
- 良い担当者と一緒に転職活動する
ということさえ実現すれば、転職失敗・転職の後悔を限りなくゼロにできるのです。
転職活動で重視するべき点は、サービス選びではなく『担当者選び』。
転職エージェントを2社以上併用し、初回面談で担当の質を見抜き、良い担当者と一緒に転職活動を進めていきましょうね!