本記事では、転職活動で50社以上の選考を受けた僕の実体験に基づき、「面接試験の流れ」を解説します。
あわせて以下の記事にも目を通していただくと、面接試験の合格率をより高めることができますよ!
【参考記事】
面接の流れ
STEP1:入室
【対面の場合】
- ドアを3回ノックする
- 返事があったら「失礼します」と言って入室する
- 面接官に促されたら再度「失礼します」と言って着席する
【オンライン面接の場合】
- 5分前にZoom等に入室しておく
- マイクオフ・画面オンで待機する
- 相手が入室(画面をON)したらマイクのミュートを解除してあいさつする
入室の時点から「印象審査」は始まっています。歯切りの良い返事を心がけたり、口角を少しだけ上げておくと好印象です。
ドアノック2回だと、
…ここはトイレで、私は便器かな?
と面接官に思われるので気をつけましょう。実体験ですが、面接慣れしてくると”ドアノック”に意識が向かなくなってきます。
せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、ドアノックから意識して面接試験に望みましょうね。
面接の流れ
STEP2:あいさつ・自己紹介
〇〇さんですね?それでは軽く自己紹介を……
といった感じで、初めに簡単な自己紹介を求められます。
このときのポイントはダラダラ長く話さないことです。初めの自己紹介は短ければ短いほどGood!
”簡潔明瞭”は要点をスマートにまとめることができる証。「この人は仕事がデキる!」と面接官に思われ、印象アップにつながります。
スマートな自己紹介は意外に難しいので、下記を参考に練習しておくとよいでしょう。
太郎と申します。本日はお忙しい中お時間頂き、ありがとうございます。
私は現在、〇〇という会社に勤務しています。
✕✕✕部に所属しておりまして、主に△△△の業務を担当しています。一番長く携わった業務は〜で□□□に自身があります(強みがあります/得意です/専門性があります)。
本日はよろしくお願いします。
面接の流れ
STEP3:職務経歴書の深堀り
〇〇のお仕事されているんですね?もう少し詳しく……
といった感じで自己紹介が済んだ後は職務経歴書の内容について聞かれます。
職務経歴書の内容をそのまま伝えてもいいですが、もっと強力なのは「面接官(企業側)に興味がある項目を重点に話す」です。
ぶっちゃけ、面接試験で企業側は「この人はうちの会社で活躍できるかどうか」しか考えていません。自分たちのことで頭がいっぱいなのです。
ならばその思考に沿った回答をするのがベスト。企業側がメリットに感じる項目をピックアップしておき、その職務経験を重点に伝えると、面接官の食い付きが格段に良くなります。
- 会社の売上に貢献した実績
たとえば営業職に応募した人は営業成績や経験 - 会社のコストを削減した実績
複雑な業務を効率化したり、単純作業を自動化をした経験
その他には「失敗談」を話すのも有効です。過去の失敗経験を語り、そこから「学んだこと」「成功につながったこと」を話すことで、
この人は自分の失敗を隠さずオープンに話せる人柄だ。人望もありそう。
しかも、ちゃんと失敗を活かして次につなげてる。私もこんな人になりたい…
と思われて印象アップです。
この回答の質は職務経歴書や履歴書の完成度で変わってきます。なかなか良い回答が思いつかない…と感じた人は、応募書類を見直すと打開策が見えてくるかもしれません。
【参考記事】
面接の流れ
STEP4:志望動機
弊社を受けようと思った理由ってなんですか?
こんな感じで聞かれます。企業によっては自己紹介のあとに志望動機を聞かれるケースもありました。
回答のポイントは「熱量」です。熱量のゴリ押し一本でいけちゃうくらい重要です。
STEP3:職務経歴書を深堀る質問でもお伝えしましたが、企業側は面接試験で「うちの会社で活躍できるかどうか」しか考えていません。
そこで志望動機を聞かれたら、「御社に入ったら、あんなことやこんなことがしたいです…!」と答えると企業側に刺さります。
特になにも思いつかない人は、「共感+御社で長く働きたい」に熱量を宿すのがおすすめです。下記の項目からあなたが回答しやすい共感ポイントを1つ選び、それに加えて「長く働き続けるつもりです!」と答えると”すべらない回答”が完成します。
【面接官の共感ポイント】
- 事業内容(プロジェクトの魅力)
- その会社のサービスを使って感じたこと(実際に悩みが解決して感動しました…)
- その会社で働く社員の声を聞いた感想(こんな職場で働きたい!)
- その会社が掲げているミッション(私もこんな世の中になってほしい!)
【逆にマイナス印象につながる志望動機】
- 業績が伸びているから
- 知名度が高くて注目されているから
- 給料が高いから
- 技術力がすばらしいから
このような”誰でも言える内容”は、面接官の印象に残りづらいのでNGです。
あなただけの経験・想い・感じたことを伝えるだけでも高得点ですよ!
面接の流れ
STEP5:転職理由
ちなみに転職をしようとした理由ってなんですか?
志望動機の後は、転職理由(今の会社を辞める理由)をよく聞かれます。
このときの回答は「今やりたいことが現職で叶わない」系がベスト。「それなら転職も納得。」と面接官が感じ、その後の”ツッコミ質問”も激減します。
以下に実際の転職理由に対する回答の例を挙げるので参考にしてみてください。
転職理由は?と聞かれたときのおすすめ回答例
転職をしようと思った理由は、もっと〇〇の仕事がしたいと思ったからです。
今の会社は✕✕✕といった理由で入りました。
ですが今は、もっと〇〇の仕事がしたい(この分野で活躍したい/こういう価値観を持って働きたいetc)と思うようになりました。
なので転職を決意しました。
当たり前ですが、残業/人間関係/休日出勤/給料が低い/ボーナスがない…などのホンネ全開ネガティブワードは控えましょうね。
面接の流れ
STEP6:逆質問
私からの質問は以上ですが、逆に質問はありますか?
弊社のことやプロジェクトのことでもなんでもいいですよ。
といった感じで、面接試験の最後には逆質問タイムがあります。
この残りの5分の時間で面接官に好印象を与えることができれば、「ピーク・エンドの法則」によって面接が終わった後も『好印象持続+合格率UP』が期待できます。
(※ピーク・エンドの法則:人の印象や記憶に最も残るのは、感情がピークに達した時と終わりの時という心理的法則)
逆質問は以下の内容を聞くと面接官に刺さります。たとえ今までの回答に失敗したとしても、一発逆転のチャンスが生まれます。
- 面接官の考え方に触れる質問(超おすすめ)
- 「(面接官)さんから見て、〇〇部で活躍している人はどのような人ですか?特徴や共通点があれば教えていただきたいです!」
- 「(面接官)さんは先ほど〇〇の分野でも仕事をされてたとおっしゃっていましたが、今のお役職に至るまでどのようなお仕事を経験されたのですか?この道で活躍されている人の話を直接お聞きしたくて…」
- 応募先の会社に関する質問(無難)
- 競合他社の差別化の施策について
- 今のプロジェクトが成功した後の未来・今後の展望
- メインプロジェクトの制作秘話
逆質問では、Googleで調べたら出てくるような内容は絶対に聞いてはいけません。
・その情報は会社の公式HPに乗ってるんだけどな〜
・あまり調べてなさそう。本当は興味ないんだろうな。
といったマイナス印象になるので要注意。「最低限自分で調べる」といった心構えを持てば、逆質問の落とし穴にハマるのを防ぐことができますよ。
面接官も人間。面接マニュアルを作れば試験を形式化できますが、「個々の印象」を100%統一することは不可能です。
最後に面接官が気持ちよ〜く話す時間をあなたが作ることができれば、それが決定打となって合格に大きく近づけます。(ピーク・エンドの法則)
オリジナル質問は冷静に答えればOK
一次面接はほぼ”テンプレ”のようなもの。決まった流れで「お決まりの質問」が飛んできます。
しかし一部イレギュラーな質問をする会社があったり、役員や社長といった”ラスボス”が相手だと、お決まりの面接ルールは存在しません…
このようなオリジナルの質問には、履歴書・職務経歴書を詳しく書き込んで、その内容に沿って冷静に受け答えするのがベストです。
この人の発言には「一貫性」がある…!!!
と相手が感じてもらえれば、たとえ面接官が社長だとしても悪い印象にはつながりにくいです。
減点方式の面接試験。履歴書と職務経歴書を作り込む作業を「面接試験の座学」と認識し、その書類と一貫性のある発言を心がけることで、面接試験で大きな勝機を作ることができますよ。
【小ネタ】今だから言える面接試験の裏話
最後に小ネタです。僕が取り組んだ面接試験の中でクスッと笑えるエピソードや、とんでも企業の話を3つご紹介します。
息抜き感覚でご覧いただけたら嬉しいです!
「下パジャマ」がWeb面接の勝負服
当時はIT企業の会社を中心に応募していたことから、面接試験の9割がオンラインでした。
初めは律儀に「上はシャツ、下はチノパン」で面接に挑んでいました。ですが伸縮性が悪いズボンで長時間座りっぱなしは気分が悪くなったので、ある日を境にして「下だけパジャマ」スタイルで参加しました。
すると快適。長時間座っても違和感を感じなくなり、面接の終わりまで集中力が持続するようになりました。
デメリットは、立ち上がった時やパソコンが倒れた時にパジャマが映ったらゲームオーバーになることです。
すみません、準備するものを隣の部屋に忘れました。すぐに取ってきます!
と慌てて立ち上がった時が一番危険なので、起立するときは十分注意しましょうね。
話が盛り上がったらだいたい受かる話
50社以上の選考を受けてわかったことは、「一次面接は話が盛り上がればだいたい合格する」ということです。体感で盛り上がった面接の9割は合格していました。
面接試験に慣れるまでは、応募書類に書いた内容通りに答えようとして「面接官とコミュニケーションを取る」といった意識がありませんでした。
その結果、お通夜のような雰囲気で不合格連発。職務経歴や転職理由がスラスラ言えるくらい”場馴れ”してようやく一次面接が通過するようになりました。
面接官も人間。話が盛り上がったり、共通点や共感ポイントが多いほど合格しやすいなぁと感じました。
採用担当者が遅刻する会社はブラック
選考を受けた企業の中には、定刻に遅れる面接官もいました。
(中には30分遅れた人も)
このときの面接官はかなり慌てていたので、「本当に忙しいんだな…」と当時は思っていました。
ですが今冷静に考えたら、人事部だけでは手が回らないほどの人材不足&業務管理不足でエラーが発生しやすい職場だったのかなって思います。
これは個人的な意見で実際に入社してみないと分かりませんが、少しでもブラック企業の可能性が高い会社は、こちらから選考を辞退する勇気を持てるようにしたいですね。
面接試験の流れまとめ
選考の流れも、「一次面接→最終面接→内定」の順序が一般的です。
書類選考が通れば内定合格まであと少し。一次面接では1日でも早く”場馴れ”することを心がけて、転職エージェントの模擬面接試験に参加したり、スラスラ話せるように練習を積むことが大切です。
最終面接は、ぶっちゃけどんな質問が飛んでくるかわかりません。僕も当時、最終面接前にインターネットで調べまくりましたが、「マジでこれ聞かれた!!」みたいな有益情報はありませんでした。
なので最終面接に限っては、履歴書と職務経歴書を見直し、後は冷静に受け答えするのが最善策だと思います。
斜に構えすぎず、応募書類に沿った冷静な受け答えをすることが、面接試験を突破するカギになりますよ!