公務員の退職についてお悩みの方へ、公務員を辞める時の一連の流れ・知っておくべきポイントをご紹介します。
公務員を辞めたいんだけど退職についてよく分からない時、周囲の人に「退職のコツを聞く」なんてこと、絶対にできないですよね(笑)
そこでこの記事では、僕が公務員を退職する過程で学んだ「公務員の退職の全て」を実体験ベースでご紹介します。
読者の方の『スムーズな円満退職』に、少しでも繋がれば幸いです!
公務員を退職するまでの流れ
はじめに、公務員を退職するまでの流れをご紹介します。
できるだけ職場に迷惑をかけず、円満に退職するためには「焦らない」ということが大切です。
一般的には1〜2ヶ月が退職期間と言われています。ですがこれから転職する人や生活の拠点が変わる人は、余裕を持って「3ヶ月」の期間を確保することをおすすめします。
僕は公務員を退職するまでに2ヶ月半の期間がありましたが、かなり忙しくて大変でした…。
新しく賃貸物件を探す人や引越しを考えている人は、「ゆとり」を十分に持たせて退職の準備を進めましょう!
それでは、退職までの流れをご説明します。
3ヶ月前|直属の上司に退職の意志を伝える
まずは自分が所属する部署の上司に、退職の意思を伝えます。
はじめに直属の上司に伝えることがマナーであると同時に、退職がスムーズに進む最適な方法です。その上司に伝えた後は、「上司→所属長→総務部→実際の事務手続き」へと進んでいきます。
このときに一番迷うのは『上司への伝え方』ですよね。
僕の場合は、当時の係長に別室へ移動してもらった後、「✕月✕日いっぱいで退職したいです。」とストレートに伝えました。
どうしても緊張してしまうと思いますが、できるだけ冷静に淡々と「自分の意志」を伝えていきましょうね。
退職を断られた時の対処法
上司や所属長から退職を却下された場合、労働基準監督署に相談することを念頭に置きつつ、冷静に話し合うことが大切です。
どんな労働者も、退職の自由は民法で決められています。
したがって、圧が強い上司がいたとしても、「退職は認めない」と目上の人に言われても、自分の気持ちを大切にして”冷静な受け答え”ができれば、必ず前に進むことができますよ。
万が一、上司とのやり取りの中で
- 上司が自分の話を全く聞かない
- 強い言葉で退職を撤回させられる
このようなことがあれば、「労働基準監督署に相談してみます。」と断りの言葉をひと言伝えてみましょう。
(※以下のリンクから全国の労働基準監督署を探せます。)
組織側も”揉め事”は大きくしたくないはずです。円満退職を目指して、伝えるべきことはきちんと言葉にしていきましょうね。
2ヶ月前|退職届を提出し、手続きを進める
上司に退職する旨を伝えたら、次は総務部の指示に従って「退職手続き」を進めていきます。
退職届の様式から税金・保険関係など、基本的な手続きは総務部で全て手配してくれるので、前もって準備しておくことは何もありません。
ちなみに、この時に手続きする書類には、次のようなものがあります。
【退職手続きで提出した主な書類】
- 退職届
- 退職手当(退職金)請求書
- 資格喪失証明書の申請書
- 退職所得の受給・退職所得にまつわる手続き
- 退職手当(退職金)から住民税を天引きするかどうかの手続き
- 共済組合を脱退するための手続き
- 退職者会の加入同意書
上記の手続きを進めるのと同時に、「事務引継」「年休申請」も合わせて着手しておくとよりスムーズに退職できます。
ちなみに僕は”退職”を上司に告げる前日、全ての魂を込めて『退職願い』を自力で作成しました。
ですが後日、退職願いの様式に決まりがあることを知り、魂込めた「オリジナルの退職願」は胸ポケットから出る日はありませんでした…(笑)
1ヶ月前〜退職日|事務引継・提出書類の最終確認
当然ですが、退職までに必ず「事務引継」「退職手続き」を済ませる必要があります。
公務員を辞めて、自分の人生を心置きなく進むためには、
- 後任者がスムーズに仕事できるように「事務引継」を済ませる
- 後になって総務部から「書類確認の電話」が来なくて済むように、退職手続きをきっちり終える
この2つが大切になってきます。
したがって、退職1ヶ月前では「最終チェック」に注力しましょう。退職した後に電話で聞かれることのないように、手続きや事務引継の不安はこの期間に解消するようにしましょうね!
その他、退職までにやることは以下の内容があります。
【その他・退職までにやること】
- 年休消化
- 貸与品の返却
- 挨拶まわり
- 保険証の返納
公務員の退職で知っておきたい4つのこと
会社員と公務員の「退職」には、異なることが多々あります。
そこでこの項目では、実体験で学んだ「公務員の退職で大切なこと」を4つ紹介します。
①退職を伝えるタイミングは「自由」
- 退職日から✕✕日までに申告しなければいけない
といった職場の決まりをクリアできていれば、退職のタイミングは自由です。
【公務員の退職に関する決まり】
- 国家公務員の場合
”人事院規則8-12”で職員の辞職について定められていますが「◯日前まで申請しなければならない」といった期限に関する決まりはありません。 - 地方公務員の場合
原則は国家公務員に準じた形になりますが、自治体で独自に定められている可能性があります。
たとえば東京都庁の場合は”東京都職員服務規程第14条”によって「退職しようとする日の10日前までに退職願を提出しなければならない」といった決まりがあります。
よく公務員の退職について、
- 「退職日は人事のことを考えて3月31日がいい」
- 「最低でも、退職の◯か月前に相談する」
このようなアドバイスがありますが、それを全く気にせずに「自分の希望に沿った退職日」で申告しても、ぜんぜん問題ありません。
個人の都合上、退職日をどうしても先延ばしできない状況もあります。職場の都合を優先させるよりも「自分の人生を」を大切にしましょう。
もしも職場側から退職日について言及されたら、冷静に、淡々と自分の意思を伝えていきましょうね!
②退職理由は「自己都合」でOK!
上司や所属長に退職理由を伝えるときは「自己都合」が最適です。
今の職場を辞める際、仕事や労働環境の”不満”は口にせず「自分の都合で辞めます」という旨だけを伝えれば、円満退職に大きく近づけます。
いざ公務員を辞める決心がついた時、ついつい不平・不満の言葉が出やすくなってしまいますが、
- 「もっと仕事で挑戦したくなりました。」
- 「新しい分野で働きたくなったので辞めます。」
このようなポジティブな自己都合を周囲に伝えることで、退職後の”人間関係”や直後の”年休消化”に良い影響が生まれてきますよ!
③失業手当(失業保険)は受け取れない
一般に会社員が退職し、再就職までに期間が空く場合に受け取れる「失業保険(失業手当)を、公務員は受け取ることができません。
なぜなら、公務員は「雇用保険」に入っていないからです。
雇用保険は全ての会社員が加入しなければならない保険で、リストラや出産など、やむを得ず働けなくなった時に備えるものです。
公務員の場合はさまざまな「手当」があり、リストラ危機もゼロなので、加入する必要がないんですね。
その代わりとして、公務員に用意されている制度が「退職手当(退職金)」といわれています。
「…いやいや、会社員も退職金あるやろがい!!(怒)」
と、僕も思いました。それでかなり調べてみたんですが、やはり失業手当を受け取れる可能性がある公務員は『民間企業で働いた経験がある人』しかないみたいです。
残念ですが、退職金と貯金を頑張って工面して乗り超えていきましょう…!
④この3つの書類は特に紛失しないように…
【無くすと厄介な重要書類3選】
- 資格喪失証明書
- 源泉徴収票
- 住民税の特別徴収に関する通知書(転職先で住民税の特別徴収を継続する人)
退職手続きを進める中で、職場から受け取り、自分が管理しなければならない「重要な書類」がいくつかでてきます。
これから会社員になる人もフリーランスになる人も、仕事やお金にまつわる手続きの際には上記の書類が必要になることが多く、万が一紛失してしまうとかなり面倒なことになってしまいます…
そのため、受け取った書類の中で再発行に時間がかかる上記の3つの書類は、特に紛失しないように気をつけてください。
これは僕の話ですが、転職先で「雇用保険の加入手続き」を進めてもらっていた時、受け取ったはずの源泉徴収票がすぐに見つからずかなり焦った経験がありました…
特に上記3つは再発行に時間がかかるそうなので、書類の保管には気をつけましょうね!
まとめ|8年勤めて貰えた退職金
この記事では、公務員が退職をする時の流れ・知っておきたい4つのポイントをご紹介しました。
公務員を辞める理由は人それぞれですが、自分の意志をきちんと周囲に伝えることで、必ず「円満退職」を迎えることができます。
特に注意するべきことは失業手当がもらえないことです。
退職後、収入が一時的に途絶えるような人は「退職金+貯金」が生活の柱になります。
僕が地方(田舎)公務員を8年間続けた退職金は92万円でした。
この金額は各自治体で大きく異なるので参考になるか分かりませんが、少しでも退職した時のイメージに繋がったら嬉しいです。
公務員を辞めるのには勇気がいりますが、人生は一度きりというのも事実。”退職”という壁を乗り越えて「脱公務員ライフ」を楽しみましょうね!